『大人になると夢が持てなくなるなんて寂しいな』
少し前までそう考えていました
看護師を目指すようになって、そこからは看護師になるための努力をしてきました
でも、実際に夢を実現した後、私は夢と現実のギャップに悩んでしまいました
転職してから年下の同僚が「看護師になったのに看護をしていない。仕事内容は管理ばかりだ」と悩んでいるのを聞いた時、夢は叶えたら幸せになるわけではなく、ちゃんと続きがあるんだなと実感しました
多くの同僚が、仕事のきつさや難しさに苦しみ、職場を去っていきました。
今となっては私も第一線を退き、企業看護師として働いていますが、夢だった看護師を続けられているから幸せ、というわけではありません
『結婚したら幸せ』
『こどもが生まれたら幸せ』
『お金に困らない生活が送れたら幸せ』
...というわけではないことは誰もが気づいているはず
人は今ある現実に+αをつけたがるものなんですよね
①夢がない人は向上心が低いのか
②現状維持バイアスがもたらす悲劇
③夢なき子が今より少し良い世界に進む方法
夢がない人は向上心が低いのか
私はずいぶん前から夢探しをしています
夢や目標と聞くと、ポジティブなイメージが湧くし(笑)、常に変化と刺激を求める性格もあり、『○○には結婚していたいな』『○○には仕事を辞めたい』『自分の会社を作りたい』と常に未来を考え続けていました。
他人と自分との境界線がなかった時期もあり、現状で満足している人を見ると、『この人には夢がないのかな、さびしい大人だな』とジャッジしていたこともあります。
でも、大人になるとある程度自分の未来が『この程度だな』と予測できてしまうと思うんです。
『出世しても年収はこの程度か』『部長クラスになるにはこのくらいの能力が必要なんだな』と考えたことはありませんか?
私は看護師時代に出世とは無縁でしたが(笑)、上司を見て「こんな看護師になりたい!」と思える人には残念ながら出会えませんでした。
今考えると、病院勤めの看護師の職場は私と合わなかったのだな、と思います。
病院という場所が悪かったのではなく、相性が合ってなかったというだけです。
代わりに起業して出会った人の中には「この人の考え方は素晴らしいな、真似してみよう」と思える人にたくさん出会えました。
私はすごくラッキーで、飛び込んだ環境も良く、飛び込む勇気もあったのです。
でも、世の中そんなことを簡単にできる人ばかりではありません。
夢を叶えるためには、夢が叶うまで続けること
でも、夢を持つこと自体あえて選んでいない人もいるのです
現状に満足している人は、もちろん今のままの生活が続くことを望んでいるだろうし、色々な事情で夢のことなど考えている余裕がない人だっています。
多様化している今の世界で、夢を持っている人がえらくて、持たない人は怠慢だ、なんてジャッジすることはできません。
現状維持バイアスがもたらす悲劇
とはいえ、これからの時代現状維持は不可能だと考えています。
だって、世界は刻一刻と変わり続けている
今年の初め、世界で戦争が起こることを予測していた人がどれくらいいるでしょうか?
11年前、東北の大震災を予見していた人は?
それと同時に世界は良くなっている傾向もあり、80年前に米国株を買った人の資産は70倍になっていると言われています
インフレは今後も進むでしょうし、少子高齢化はアラフォーである私にとって、年金がどのくらいもらえるのか、シビアな問題になっています
まだ年功序列が根付いている日本ですが、泣く子も黙るTOYOTAは数年前に『社員の終身雇用を守るのは難しくなっている』とはっきり言っています。
『今のままずっと変わらずいたい』という望みは、一見無欲で美しく響く言葉ですが、現実問題としてかなり難しくなってきている、ということです。
夢なき子が今より少し良い世界に進む方法
人は夢がなくても生きていけます
でも、現状のままずっと続いてほしいという望みは、難しくなっています
では、夢を持たず現状維持を望む人たちは、無理にでも向上心や目標設定をしなくてはいけないのでしょうか?
答えはNOです
ないものはないんですから、無理して生きづらい世界に突き進む必要はありません。
実際私も夢がなくて苦しんだ時期がありました。
そんな時に実践した方法は
『嫌なことをやらない。消去法でものごとを判断する』
ことです。
3年前起業を決意した時に、まず「自分は何をして生計を立てていこう?」と悩んでいましたが、その時に「やりたいことが見つからないなら、やりたくないことをやらない仕事に就こう!」と決意したのです。
①付き合いだけの飲み会
②そりが合わない人、嫌いな人と仕事をすること
③決まった時間に出社して、決められた仕事をこなすこと
これらをピックアップして、私は初めて『管理されること』を嫌っているのだということがわかりました。
ただ、嫌なことをピックアップすることはすごく苦しかったです。
自分がそこから逃げ出すように思えてくるから。
でも、『逃げていい』『まず嫌いなことを徹底的に排除して、そこからやりたいことをみつけよう』『自分の得意なことは走りながら見つければいい』と自分の決断に自信を持つ努力をしたのです。
ネガティブを肯定することはとても抵抗がありますが、そんな自分も大切な私です。
ネガティブに蓋をして隠しておくのか、解放してまるごと受け入れるのか、選択するまでにはずいぶん時間がかかりました。